入院費用が払えないと訴訟になる?退院時の対処法や利用できる公的制度を解説


入院費用が払えないと、最悪の場合には訴訟に発展する可能性もありますが、病院での分割払いの相談や医療ローンの利用など、いくつかの対処方法があります。月をまたがない入院でも、退院時に数十万円規模の費用を請求されることもあり、「一括で支払えるか不安……」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、入院費用が払えない場合の具体的な対処法や利用できる公的制度について解説します。
入院費用が払えないとどうなる?
入院費用の未払いは、段階的に厳しい対応がとられていきます。まず病院からの督促連絡があり、支払いがない場合は身元保証人への請求へと移行します。
それでも解決しない場合は、弁護士が介入し、最終的には訴訟や財産の差し押さえにまで発展する可能性があります。
まずは、入院費用が支払えない場合の具体的な流れと、その対応方法について解説します。
病院から督促を受ける
入院費用は退院時に請求されることが一般的です。月をまたぐ入院の場合は、月末締めで翌月に支払いの場合が多いでしょう。
もし、期日までに支払いがない場合、まずは電話による督促があります。この時点で支払いが確認できない場合、郵便で督促状が届きます。それでも支払いがない場合は、病院職員が直接自宅に訪問し、支払いを要求するという流れで督促は進められます。
身元保証人に対して請求される
多くの病院では入院時「身元保証人」を求めます。緊急連絡先として、そして患者本人が意思表示できない場合の対応のためですが、それ以外に、患者が入院費用を支払えない場合の請求先になる、という目的もあります。
患者本人が督促後も入院費用を支払わない場合、身元保証人に請求がある点を理解しておきましょう。
弁護士からの連絡、訴訟の可能性も
患者本人、身元保証人のどちらも入院費用を払わない場合、弁護士から連絡が来ます。この時点で支払いが難しい場合、弁護士や病院と分割払いなどの支払い計画を検討します。
弁護士からの連絡を無視し、支払い手続きもおこなわなかった場合、裁判所を通じて訴訟の連絡が来る可能性もあるので、注意してください。
なお、訴訟となった場合、給与や預金などの財産を差し押さえられるケースもあります。
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入院費用が払えないときの対処法
入院費用を一括で支払うことが難しい場合、まずは病院に相談して分割払いや支払期日の延長を検討できます。また、医療ローンを利用することで、複数回に分けて支払うことも可能ですが、審査や金利面での注意点があります。
ここでは、支払いが困難な場合の具体的な対処方法と、各選択肢のメリット・デメリットについて解説します。
病院に分割払いや支払期日延長の相談をする
入院費用の一括支払いが困難な場合、早めに病院の医事課や会計窓口に相談することが重要です。患者の経済状況に応じて分割払いや支払期日の延長に対応してもらえる可能性もあります。
特 に支払いの見通しが立たない場合は、問題が大きくなる前に相談することで、無理のない支払い計画を立てることができます。
トラブルを未然に防ぐためにも、支払いが難しいと気付いた時点で、すぐに病院側に状況を伝えましょう。
医療ローンを利用する
医療ローンは、入院費用などの医療費支払いに特化した融資制度です。利用方法は大きく2つあり、病院と提携している医療ローンを利用する方法と、銀行やクレジットカード会社が提供する医療ローンを直接契約する方法があります。どちらの場合も、月々の返済額を自身の収入に合わせて設定できる利点があります。
ただし、医療ローンの利用には信用審査があり、年収や他の借入状況によっては利用できない場合があります。また、返済期間を長く設定すると手数料や利息の負担が大きくなるため、体調や状況に合わせながら計画的に利用するようにしましょう。
資金使途が自由なローンを利用する
病院と提携した医療ローンや一般の医療ローンが利用できない場合は、銀行やクレジットカード会社から提供されている資金使途が自由なローンの利用を検討することもできます。
主にカードローンなどがこれにあたり、通常は医療ローンより金利が高く設定されていますが、最短で申し込んだ当日中に借りられるなど、スピーディー融資が可能な場合があります。
ただし、こちらのローンも信用審査があり、返済計画をきちんと立てる必要があります。
そもそも入院費用はどれくらいかかるの?
入院にかかる費用は、1人あたり平均で約20万円に上り、入院日数が長くなるほどその費用は増加していく傾向にあります。
費用は大きく分けて保険適用と自己負担に分かれ、保険適用となる治療費や入院基本料は年齢に応じて1~3割の負担で済みますが、差額ベッド代や日用品費などの自己負担分は全額支払う必要があります。これらの費用の違いを把握し、どのような補助制度が利用できるかを確認しておくことが重要です。
まずは、具体的な入院費用の目安と、保険適用となる費用、自己負担となる費用について解説します。
入院費用と入院日数の平均
生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、入院経験がある人の、直近(過去5年間)の入院での平均入院日数は「17.7日」という調査結果が出ています。最も多い層は「5~7日」です。
そして、直近の入院時の平均自己負担費用は「19.8万円」となっています。最も多い層は「10~20万円」です。
入院日数別の自己負担費用は、以下の表をご覧ください。入院日数が長くなるほど、自己負担額も増えていくことがおわかりいただけるで しょう。


出典:生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」
入院費用で保険適用になるもの
入院した場合、かかった費用全てを自分で払うわけではありません。「保険適用」費用と、「自己負担(保険適用外)」費用にわかれます。
保険適用の費用は「治療費」と「入院基本料」です。具体的には以下の通りです。


