消費者金融とは?意外に知らない成り立ちや、銀行との違いを解説


お金を借りたいときに選択肢としてあがるのが消費者金 融です。しかし、いつどのような流れで消費者金融ができたのか、知らない方も多いのではないでしょうか。この記事では、消費者金融の成り立ちや代表的な事業者、消費者金融を利用するメリット・デメリット、利用時の流れなどについて解説します。初めて消費者金融を利用する際にぜひ参考にしてください。
消費者金融とは?
消費者金融とは、主に個人を対象として融資を行う貸金業者です。消費者金融は、貸金業者として、金融庁から委任を受けた各地の財務局長、または、都道府県知事の登録を受けています。消費者金融には、貸金業法という貸金業者が順守すべき規制が定められた法律が適用されます。なお、登録を受けずに貸金業を行うと法律によって罰せられます。
消費者金融の成り立ち
消費者金融の成り立ちを 解説していきます。
消費者金融は「知人や友人との貸し借り」から始まった
まだ消費者金融がなかった戦前は、銀行が個人にお金を貸すことはほとんどなく、お金に困った人々は知人や友人、親族との間でお金を貸し借りするしかありませんでした。その中で、個人間の貸し借りに高い金利を設定する「素人高利貸」が数多く現れます。この素人高利貸が時代の流れとともに消費者金融へと変わっていきました。
そして1930年には、日本昼夜銀行という金融機関が個人向け小口融資を開始しています。しかし借入には、25歳以上の既婚者で、東京市(当時)または近接町村に構える官公庁や、それ相応の会社に2年以上勤めていること、2名以上の資力のある保証人を立てられること、などの厳しい条件がつけられていました。かなり優秀な、いわゆる「サラリーマン」でなければ個人向け小口融資を利用できなかったようです。
「サラリーマン世帯」をターゲットにした「団地金融」が消費者金融に発展
お金の貸し借りは戦争によって一度途切れたものの、戦後から10年ほど経った1950年代半ば頃から再開しました。当時は「サラリーマン家庭」、特に団地に住む「団地族」を中心に、テレビ・冷蔵庫・洗濯機という「三種の神器」が普及しつつありました。これらの製品を購入する際には「月賦(げっぷ)」、今でいうローンがよく利用されていたそうです。「借金をしてでも豊かな生活を実現したい」という団地族の気持ちがうかがえます。
そのような時代を背景として、1960年代には「素人高利貸」だった人々が、森田商事や日本クレジットセンターなどの消費者金融を設立しました。団地居住者を対象として無担保で資金を貸し付ける「団地金融」を活発化させていきました。
「サラ金」の成長とともに法整備が進み、現在の形に
その後、高度経済成長期に入った1960年代からは、団地金融に代わって「サラリーマン金融(サラ金)」が急成長しました。アコム、プロミス、レイクという現在も存在する知名度の高いサービスの元となった消費者金融の創業者が活躍したのもこの頃です。
1960年代の「サラリーマン家庭」では妻が財布を握っているため、妻に隠れてこっそりと借入する「サラリーマン」が多かったようです。当時の「サラリーマン」は、飲み会やゴルフなどの交際費が非常に多かったという時代的な背景もあります。
1970年代以降、サラ金の成長とともに強引な取り立てなどが問題となったため、1983年に貸金業規制法が施行されました。2000年代からは消費者金融同士の交流も始まり、業界が徐々に健全化します。
そして2010年には貸金業法と出資法が一部改正されて「グレーゾーン金利」がなくなり、年収の3分の1を借入の上限とする「総量規制」が導入されました。
現在の消費者金融や銀行との違い
前述のような歴史を背景に、現在はどのような消費者金融があるのでしょうか。銀行との違いも説明します。
代表的な消費者金融や、最近登場した消費者金融・サービスは?
消費者金融は時代の流れとともに設立や統廃合を繰り返しています。現在の代表的な消費者金融は次の通りです。
<主な大手消費者金融>
・アコム株式会社
・アイフル株式会社
・SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(プロミス)
・新生フィナンシャル株式会社(レイク)
・三井住友カード株式会社(SMBCモビット)
<そのほかの主な消費者金融>
・株式会社アロー
・ダイレクトワン株式会社
・株式会社セントラル
・フクホー株式会社
・中央リテール株式会社
<最近登場した消費者金融・サービス>
・LINE Credit株式会社(LINEポケットマネー)
・株式会社NTTドコモ(dスマホローン)
・株式会社メルペイ(メルペイスマートマネー)
・株式会社ファミマデジタルワン(ファミペイローン)
消費者金融と銀行の違い
消費者金融だけでなく銀行もカードローンを提供しています。両者は似ているように感じるかもしれませんが、明確な相違点が2つあります。