スコアリングによる信用のRedesign
公開日:2020年10月08日
更新日:2021年10月16日


今日の記事では、自動家計簿サービスを提供する株式会社マネーフォワードの瀧さんとLINEポケットマネーの企画メンバー川崎によ る対談を元に、「スコアリングによる信用のRedesign」についてお伝えします。
株式会社マネーフォワード 瀧俊雄さんのプロフィール
取締役執行役員 マネーフォワード Fintech 研究所長
2004年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村證券株式会社に入社。株式会社野村資本市場研究所にて、家計行動、年金制度、金融機関ビジネスモデル等の研究業務に従事。スタンフォード大学MBA、野村ホールディングス株式会社の企画部門を経て、2012年より株式会社マネーフォワードの設立に参画。経済産業省「産業・金融・IT融合に関する研究会」に参加。金融庁「フィンテック・ベンチャーに関する有識者会議」メンバー。
LINEポケットマネーの土台となるLINEスコアについて
LINEポケットマネーは、LINEプラットフォーム上での行動データ等を活用した「LINEスコア」を加味し、従来の信用情報とパートナー金融機関の与信審査ノウハウをもとに、ご利用者に応じた貸付利率(実質年率)とご利用限度額を決定します。
個々人の行動、つまり「LINEスコア」のデータを加味して与信判断を行うというのがLINEポケットマネーの最大の特徴です。
これは、従来のように会社名や従業員規模や肩書のような属性で判断されがちだった「信用」というものを、「LINEサービス上での行動データで推し量れないか」という非常にチャレンジングな取り組みであり、これまで長い間画一的な仕組みで提供されていた信用を「Redesign」していくこと意味します。
この取り組みについて、瀧さんは「このチャレンジは非常に興味深い話だと思います。世の中の大半の方は自分の信用度が測定できる事については知らないでしょうし、日本における信用スコアの算定については、様々な議論なんかも行われています。米国では、融資において人種や家族形態による差異が出ないように、スコアが発展してきたという背景があったりもしますが、今後国内においてもこの領域が発展していく中、信用スコアリングはそのバランスと、精緻化を図っていく面白さを秘めていますよね。」と語っています。
多様な働き方をする個人(自営業、派遣契約社員、パートアルバイトの方)のご利用が37%
LINEポケットマネーの場合、貸付利率(実質年率)は、スコアに連動して決まるという点が特徴 的です。
一般的には、利用枠が小さい場合には金利が高くなるという商品性のローンサービスが存在しますが、LINEポケットマネーでは利用枠の金額の大小は関係せず、LINEスコアで算出されたスコアによって金利が決定する仕組みです。
この点については、瀧さんにこうお話いただきました。
「ここがポイントですよね。例えば少額を借りたい場合や、仮に金利が低くて資金が必要な際には、少し余裕を持って借りておこうかなという事にもつながりますよね。一般的に借入が少額の場合は少し高い固定金利にしなければならないというのは、設計上の大きな課題だと思いますが、その点で、スコアに応じた金利というのはこれまでとは違う視点です。」
このように、一般的な与信で左右される雇用形態や職場の従業員規模、勤続年数等の情報のみではなく、LINEスコアを軸として与信を行っているLINEポケットマネーは、契約者の属性もややユニークなものになっています。
例えば、日本貸金業協会が発表している統計※では、全ローンサービスにおける自営業、派遣契約社員、パートアルバイトの方などの非正規雇用の利用者が全体の26%を占めていますが、LINEポケットマネーでは、その割合は37%程度となっています。
「これはつまり、例えば雇用形態において、多様な生き方、働き方をする個人の方にとってもフェアな仕組みを提供するということを目指す、LINEポケットマネーのビジョンがある種かたちになっているともいえると考えています。」(川崎)
※日本貸金業協会ホームページ『貸金業者の経営実態等に関する調査結果報告』より
信用のRedesignへ
ここまでLINEスコアを用いた信用評価についてお伝えしてきましたが、この仕組みの裏側では、機械学習によって、LINEサービス、つまり「非金融サービスでの行動傾向」に関する分析を行い、信用評価のモデルを構築しています。
この点について瀧さんには、「これはすごく面白いですし、とても丁寧に取り組むべきテーマですよね。個人的見解ですが、作り手により恣意的な要素が入っている限り、フェアネスな世界には陰りが見えてしまいます。その点、機械に分析させ、作り手である人間の思想が介入していないというのは、良い意味でとても重要だと思います」とお話しいただきました。
機械学習によって行動データを分析するということは、人間による操作が入っていないことを意味します。
この点について川崎はこう語っています。
「これはつまり、サービス提供者である私たちの思惑によってルール作りをするようなものではないということなのです。機械学習をベースとした仕組みにすることによって、従来の与信の判断軸とは違った信用評価の構築も可能に なっているということです。」
私たちは、今後も、肩書や働き方などの従来の属性情報に偏らない、LINEポケットマネー独自のユニークでフェアな与信の仕組みの構築と提供を目指し、多様な生き方、働き方をする個人を後押しすべく、信用の仕組みをRedesignしてまいります。
本日の記事は、マネーフォワードの瀧さんとの対談を元にお届けしました。この対談の後半を元にした記事は後日公開いたします。
また、本対談に関する詳細の記事は、マネーフォワード Fintech研究所のブログにて、お読みいただけます。